フェアトレードとは直訳すると「公平な貿易」。開発途上国で弱い立場にある生産者・労働者の商品を安く買い叩くのではなく、生産者・労働者がその商品の生産によって生活改善を実現し自立することを目指す国際貿易のしくみである。
その起源は、1946年にアメリカのセルフ・ヘルプ・クラフトがプエルトリコから刺繍製品の購入を始めたことにあると言われている。そして、1960年代以降にイギリスやオランダにおいても同様の取組みが始まっていった。さらに、1988年には国際フェアトレード基準を設定し、基準を遵守した製品をラベルに貼付することで、フェアトレードを一般の人々にも知ってもらうラベル運動が、オランダで開始された。ラベル活動はその後世界の様々な組織に広がっていき、現在では国際的に活動している4つの機関FLO,IFAT,NEWS!,EFTAのそれぞれの頭文字を取ったFINEという非公式なネットワークが会合の中心にある。
日本でフェアトレードに積極的に取り組んでいる企業としては、ミニストップ株式会社がある。ミニストップでは、2006年よりバナナやコーヒーなどのラベル活動に参加しており、さらに2011年10月にはミニストップ・フェアトレード研究所を立ち上げ、関わりのある団体や企業と共にフェアトレードの普及・啓発を開始した。
日本ではフェアトレードが広まりにくいとよく言われるが、その原因としては、商品が生産されてから手元に届くまでの流通経路が長くなり過ぎたことで生産者のことにまで想像力が及ばなくなったこと、など諸説ある。
世界に目を向けると、フェアトレードは認知度が高まり世界的な運動になっている一方で、今の農業の労働環境を保護することが、逆に貧困のサイクルに閉じ込めることになりかねないジレンマを始めとした様々な問題にも同時に向き合うことが求められている。