住友化学株式会社

住友化学のオリセット®ネット(長期保存可能な蚊帳)

■世界の三大感染症の1つであるマラリア
マラリアは毎年3.5~5億人が世界で発症しており、100万人以上が死に至っている。その犠牲者の90%以上は5歳以下の子供であり、地域はサハラ以南のアフリカに集中している。
現在では予防も治療の方法も確立しているにも関わらず犠牲者が減少しない為、エイズと並び国連ミレニアム開発目標(MDGs)の一つに挙げられている。
減少しない理由として、アフリカでは貧困や財政難のために十分な対策がとれない為と言われており、マラリアに罹患することによって就業や教育の機会を失い貧困から脱却できなくなるという悪循環に陥り、多く人が苦しんでいる。

■住友化学のマラリアへの取組み
このような状況に対し、家庭用殺虫剤の原料で世界トップシェアを誇る住友化学は1960年代か幾度かの挫折を乗り越えて開発を積み重ねていき、1992年ついに「オリセット®ネット」という現在の防虫網戸を完成させた。
発売当初は値段が高いということが障害となってなかなか普及しなかったが、2001年にWHOの推薦を受けたことが1つの契機となって急激に普及が進み、すぐに供給が追いつかなくなるほどになった。
そこで、アフリカのタンザニアで現地生産体制を実現するためのパートナーシップを構築し、2003年9月から生産開始した結果、わずか1年後の2004年には30万張りを生産することに成功した。2010年8月現在では7000人の社員に対して雇用機会を提供するに至っている。

■アフリカへの教育支援活動
住友化学は、2005年以降、オリセット®ネット事業で得た売上をマラリア対策貢献だけでなく社会に対して貢献したいと考え、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、エチオピアの各国で小中学校の校舎・給食設備の建設・教材・先生の宿舎、などに取り組むようになった。
また、2006年には、国連ミレニアム開発目標の1つである国土の貧困をなくすため、アフリカで貧困が特に深刻な村をモデル地区を対象に、農業技術、食糧、教育、医療支援の活動をしている「ミレニアム・ビレッジ」プロジェクトに寄付を行った。プロジェクトでは、33万張りのオリセット®ネットを無償で配布したことで約50万人をマラリアの脅威から守っている。

「オリセット®ネット」を通じた支援:
http://www.sumitomo-chem.co.jp/csr/africa/index.html